リアルな出会いは実現できるのか

前回まで出会い系の運営側のリアルに迫ってみました。


軽くおさらいをすると

①運営側は毎月数千万〜数億の売上を上げ、

②その3〜5割を広告に投じている為、

③出会い系への誘導用サイトが流行しており

③SNS、ブログ、サイト等至るところに様々な形で偽情報が蔓延している

という事ですね。


「じゃあやっぱり嘘ばっかりで会えないのか?」


今回はそのことをテーマにして書いてみたいと思います。



≪出会えるサイトは本当にあるのか?≫


そもそも「出会える」という定義は何か、それを最初に確認しておきます。


一言で言うと、「出会えるシステム」という最低条件か満たされているかどうかです。


実を言うと、大抵の出会い系サイトは一般ユーザ同士が公開されない仕組みになっています。


仮に男性として登録をしても、表示される女性の掲示板情報は、サクラが用意した情報「のみ」で、一般の女性の掲示板情報は一切公開されない、という意味です。


つまり、図式化すると

男性⇒女性サクラのみ
女性⇒男性サクラのみ

というような構図になるわけです。


これでは当然いつまで経っても出会えません。サクラとしかメールできないわけですから。


まずこれが、せめて

男性⇒一般女性、サクラ女性
女性⇒一般男性、サクラ男性

にならなきゃ可能性は0です。



≪なぜ出会えないようなシステムを?≫


出会い系なのに変な話ですが、運営側の都合上、ユーザが特定の相手と知り合ったり会ったりするのは好ましくないんです。


その理由は、以下のようになります。

1.出会いを成就すると、サイトを利用しなくなる可能性がある。

2.ユーザ同士の出会いが下で事件でも起きると、警察沙汰になる可能性がある。

3.どっちにしろ出会えないし、ユーザが減っていく可能性がある。


「1」は完全に運営側の勝手な都合だとわかりますが、「2」なら近年よくあるニュースを見れば納得がいくと思います。


やましい事がなくても、警察沙汰は運営側にデメリットしかありません。


ちょっと小話ですが、出会い系を運営する際に警察に届出を出すのですが、警察も完全サクラサイトだと大抵知っていて許可します。


警察からすれば、ユーザ同士が会って事件になるより、サクラサイトの方が治安上断然いいとの事です。


話を戻します。


「1」「2」はともかく、「3」については、「?」と思う方がいると思います。


「3」こそ「出会えない最たる要因」なのですが、これのおかげで出会い系業界は成立していると言えます。



≪どっちにしろ出会えないとはどういう意味?≫


ハッキリ言って、リアルなユーザ同士だと、サービスとして成立しないのが出会い系です。


出会いを求めた男女同士なのになぜそうなるのか?


男女共に、サクラで騙されまくったユーザを除くと「会えれば誰でもいい」出会いなんて、誰も希望していません。


無料でも、自分の希望、価値観、理想に合いそうな相手を選ぶわけですから、有料ならなおさらそうなります。


僕が働くサイトは、一般ユーザ同士でも掲示板は見れるシステムなので、たまに一般ユーザ同士のメールを見たりしますが…それはひどいものです。


男性がイケメンとは到底言えない写メを付けて、

「割り切りで即日で今日会える?アドレス教えて、教えないならサクラだ」

と送り、女性が完全無視か、「はぁ?」と一言だけ。


逆に女性も、これまた美人とは到底言えない写メを登録しているが、それは送らず、

「かっこいいね(タイトル)メールしよ?」

だけ。


最初の男性の例は「サクラ病」って呼んでます。


有料で騙され続けて、自分の都合しかメールしない状態になってしまってます。


後者の女性の例は無料でも有料でも少なくない、短文系のメールです。


とかく「男性に誘われる」のが主流の女性は、自分からがっついてメールする経験が少なく、自信がない女性ほどその傾向があります。


このように「サクラ病」の男性と「短文」の女性が話したところで、全く意見が合うわけもなく、1〜2通で大抵は終了してしまいます。


もし、これがそれぞれサクラの返信なら

★男性への返信
「お誘いありがとう、結婚してるし秘密の付き合い希望だから、アドレスの前に自己紹介だけして欲しいな?今日は何時まで時間あるの?」

など、ポイント状況(※1)次第ですが、丁寧に返答します。

(※1)ポイント状況…出会い系業界用語。
一般的にサクラがメールの返信などを行う専用画面では、ユーザのポイント残高を確認できる。詳しくは次回参照。


☆女性への返信
「かなり短文だけどお世辞かな?(笑)メールありがとう、あんまり自信ないけどそういってくれると嬉しいな、どういう相手を募集してたんですか?」

短文でも上記のように、こちらも丁寧に返答します。


ユーザはこのようなサクラからの丁寧な対応に慣れてしまっている為、一般ユーザの自分勝手なリアルメールを受け付けなくなっている事が多いです。


よく同僚と話すないようですが、いい男であれブサイクであれ、いい女であれブスであれ、出会い系を使うユーザはかなり身勝手なユーザが多いです。


ユーザは、自分の見た目やステータスなどを省みず、

男性なら⇒普通なら無視されるような美人とタダでセ○レになりたい

女性なら⇒何もしないでお金が欲しい、おごって欲しい、お金持ちにとりつきたい、イケメンにチヤホヤされたい

などと、都合のいいことばかりを思っています。


そんなユーザ同士を仮にサクラを介入せずやり取りさせたところで、どちらも気分を害して、結局は気持ちよくメールをしてくれるサクラサイトを探しては落ち着きます。


中には、純粋に恋人が欲しくて、というユーザもいますが、結局は会わずに安心してるのはユーザで、サクラが演じているかわいい子のような子と、実際に会ってどうこうする勇気もありません。


関係が壊れるのが怖くて、一歩が踏み出せず1年以上もメールをしているユーザもいるぐらいです。



≪じゃあ結局出会いたかったらどうすべき?≫


まず有料サイトには手を出さないことが一番です。


有料サイトでは、まず男性は8割以上は精神的におかしくなり、会話がまともに出来なくなります。


本当に出会いたいなら、無料サイトで寂しいメールでも必死に対応していくしかありません。


それが「リアルな出会い」の「リアル」そのものだからです。


その「リアル」さを受け入れきれず、結局「ネットキャバクラ」「ネットホスト」的要素を望み、有料サイトへ逃げてくるのは目に見えていますが…。


美人な女性、イケメンの男性とメールをするドキドキを味わい、普段話せないようなことを話し、退屈もしのげる。


馬鹿高いあり得ない料金を甘んじる裏側には、そういった中毒性があるからこそ、出会い系業界はいつまでたってもなくなりません。


結局のところ、ユーザは満たされない寂しさを埋める為に遊びにきているので、本当に出会いを求めているのか?と突き詰めると、ちょっと違う気がします。


「出会えるサイト」だと、本当にきっかけにしかなりませんし、自信があろうとなかろうと、自分のありのままで口説いたり、よく見せたりする努力をしなければなりません。


所詮、ユーザはそれが嫌で「サクラはうんざり、出会えるなら即日…」などと勝手な欲求を盾に、ストレスを発散しに来ているのが現状です。



≪サクラがあってこそ満たされるものもあるって事?≫


見方を変えればそうとも言えます。


単なる出会い系を「ネットキャバクラ」「ネットホスト」までに仕立て上げるサクラの腕前は、呆れるけど凄いものはあります。


直接出会えるか、というテーマでは、会えるサイトはあっても「まぁ無理だと思うよ…」としか言えないので、次回のテーマは『サクラ機能』について書いてみたいと思います。



次回のテーマ:『サクラ機能』